こんにちは
縮毛職人
阿武隈川です。
■当店大人気メニュー【トリートメント97%縮毛矯正・パーマ】の商材である【GRATS】とは何か?
徹底的に説明していきます。
まずは
■縮毛矯正の基本である薬剤(1液・1剤)について
を一読していただけたらと思います。
■【GRATS】とは
美容メーカーのパイモア(Paimore)の商材である、新しい縮毛矯正・パーマの薬剤。
■還元剤に、GMT(チオグリコール酸グリセリル)とスピエラ(ブチロラクトンチオール)を使用
まさに、この新還元剤を使用していることがGRATSのすごいところではないでしょうか。
この2つのパーマ液(還元剤)のすごいところは
髪の毛と同じpHである【弱酸性領域】で反応する
というところ。
◆GMTは主にチオ系の質感(スピエラよりもパワーがある)
◆スピエラは主にシス系の質感(GMTよりパワーが弱い)
ぐらいのイメージで捉えると間違いないかと思います。
■トリートメントには、【ノンアルカリ】と【微アルカリ】の2タイプと【クリーム】と【ローション】の2タイプの計4タイプがある
◆【0】となっている方がノンアルカリで酸性タイプ
トリートメントの種類としては
CMCタイプを使用。
もはや【0】は完全なるトリートメントになります。
過去に薬剤を使用しており、キューティクルが開いている、ダメージしている髪の毛に対して使用。
一方
◆【2.8】となっている方は微アルカリで中性タイプ
主にバージン毛の場合(カラーや縮毛パーマ履歴なし)は、ダメージがかかっていなく、キューティクルが閉じているため、還元剤を浸透させるためにキューティクルを開く程度に使用。
同じくCMC配合。
◆クリームとローションは、施術内容に合わせて粘度の調整
縮毛矯正やデジタルパーマはクリーム、
コールドパーマはローションが一般的。
■【GRATS】がすごい理由。
①GMTとスピエラはアルカリ剤(軟化・膨潤)を使用しなくても(酸性領域)でも反応する還元剤
通常の縮毛矯正(パーマ)の場合を手術に例えます。
体の中を治すために、
メスで身体を開きます。
当然、メスを入れた身体には【大ダメージ】が起きます。
縮毛矯正も手術と一緒です。
【アルカリ剤(メス)】でダメージを与えて髪の毛の外側を開き、【還元剤(手術)】で髪の毛の構造を変える。
というイメージ。
ですが、
アルカリ剤を使わないで酸性領域で反応が出来るGMTとスピエラは、【メスを入れないで手術】と一緒なので、アルカリでのダメージがなくなります。
②なぜGMTとスピエラという還元剤は、アルカリを必要としなくても還元出来るのか
従来の還元剤を【トマト】、GMTとスピエラを【おせんべい】に例えます。
ドアが少しだけ開いていたときに、
トマトは通れませんが、おせんべいは通ることが出来ます。
- ドア=髪の毛のキューティクルであるバリア
- ドアを開く=アルカリ剤を使用=ダメージ
と考えると、
おせんべい(GMT・スピエラ)はドアの少しの隙間を通過して中に入ることが出来るので、アルカリ剤でのダメージをなくすことが出来ます。
(健康でドアが全く開いていない髪の毛には、2.8の微アルカリを浸かって、少しだけドアを開けます)
③アルカリでのダメージはほぼ0であり、還元でしかダメージを起こさない。
①と②で、アルカリでのダメージが少ないため理由は伝わったと思いますが、
当然、
手術である【還元剤】であることには変わりがありませんので、【GRATS】でも【還元剤でのダメージはあります】
■GRATSの【トリートメント97%縮毛矯正(パーマ)】の使用方法とは
①2.8 or 0トリートメント(クリームorローション)を使用量出す。
(例)80g
②GMT or スピエラをトリートメントに対して【10:1】(10%)の比率で配合
(例)トリートメントが80gなので、8g配合→トータル88g
③デオマスクを総量に対して、入れて完成
(例)88gに対して4~5プッシュぐらい
デオマスクは、消臭効果や、ヘマチン・キトサン・ケラチン配合という優れもの。
ちなみに阿武隈川の場合、
基本的には放置時間を20分になるように薬剤(毛髪診断をした上で)を作っております。
■業界話題の毛髪補修トリートメントである【PLEXMENT(プレックスメント)】・【R(アール)】・【OLAPLEX(オラプレックス)】・【smartbond(スマートボンド)】・【FIBRE PLEX(ファイバープレックス)】との併用方法
この方法は裏技になりますが
先程の使用方法①の後に、
【R】なら15%
(80gの15%なので、Rは12g)
【R以外】なら10%(メーカーは5%や2%と言っているが足りない)
(80gの10%なので、例えばsmartbondは8g)
そして②へと続いて薬剤を作ります。
【アール】や【スマートボンド】、【オラプレックス】や【ファイバープレックス】は、【GRATS】とかなり相性が良いので、絶対に入れた方が良いです。
■アルカリ剤が少ない=軟化・膨潤していない=髪の毛のタンパク質が移動しずらい→【ウエットアイロン】(水抜きアイロン)という技法を使う
GMT・スピエラの最大のメリットは、アルカリでのダメージがないということ。
ですが、
裏を返せば、軟化・膨潤していないためタンパク質の移動が難しくなる
=アイロン操作の難易度が、かなり上がります。
ここで使う技法が
【ウエットアイロン】(水抜アイロン)
イメージとしては、
Yシャツのアイロン掛けは、カラカラのYシャツよりも、湿っているYシャツの方が綺麗に伸びます。
髪の毛も同様で、
やや湿っている髪の毛に、従来よりも伸ばせるアイロン技術により、アルカリ処理されていない髪の毛のタンパク質の移動・変性を行っていきます。
(※とても難しいので、一般の方は絶対に真似しないでください。)
ウエットアイロンのメリットは、
①ウエット状態(湿っている程度)からアイロンが出来るので、ドライ時よりも伸びが良い
②ドライしながらクセを伸ばすので、水素結合も利用することで、より内巻きの仕上がりにしやすい
③乾かしながらクセを伸ばすので、アイロン終了時に、髪の毛に水分が残り(ツヤが増す)、重度のタンパク変性が起きづらい(硬くなりづらい)
■【実はかなり大事】GMT・スピエラは酸化不足になりやすいため、2液は高濃度の臭素(ブロム酸)を使用
GMTやスピエラは酸化不足になりやすいため、ブロム酸が高濃度設定になっております。
また、CMC配合。
酸過不足にならないように、たっぷりとつけて、通常通り10~15分放置。
※酸化不足だと、システイン酸が形成され、徐々に髪の毛をダメージさせていきます。
■過酸化水素を使いたい場合
【GRATS】は化粧品登録のため、基本的にはブロム酸ですが、
美容師なら過酸化水素でいきたい場合も多いかと思います。
通常縮毛矯正の場合の過酸化水素の濃度は1.5~2.5%程度ですが、
阿武隈川のオススメは
GMTとスピエラは酸化不足になりやすいため、【過酸化水素6%:水=1:1】5~10分
通常時の過酸化水素よりも濃度が高いため、 ダメージは増えますが、それよりも【酸化不足によるシステイン酸の方が後々大ダメージ】になります。
また、
過酸化水素でダメージを与えても、【1液でのアルカリ剤】がかなり抑えてあるため、従来のアルカリ剤たっぷりで過酸化水素濃度が低いパーマ液よりも、【トータル的に】はるかにダメージは少なくなります。
■2液にも毛髪補修トリートメントである、【PLEXMENT(プレックスメント)】・【R(アール)】・【OLAPLEX(オラプレックス)】・【smartbond(スマートボンド)】・【FIBREPLEX(ファイバープレックス)】のいずれかを混ぜると、ダメージはかなり軽減する
1液同様、2剤にも
臭素or過酸化水素の総量に対して、【R】なら15%、【R以外】なら10%目安で入れて、塗布します。
■縮毛矯正と同時カラーで酸化の方法
【GRATS】の場合【アルカリ】での【軟化・膨潤】をさせていないため、同時にカラーをすることも可能になります。
(当然わけることが出来るなら、わけるにこしたことはありません)
ですが、
還元させていることには違いないので、注意事項を。
- ノンアルカリ・微アルカリタイプのカラー剤を使用
- カラーの2剤の過酸化水素濃度は1.5%~2%(出来たらアルカリキャンセル)を使用し、最低でも10分は放置すること
- コーミングでのダメージを与えないこと
上の3つは重要ポイントです。
また
【PLEXMENT(プレックスメント)】・【R(アール)】・【OLAPLEX(オラプレックス)】・【smartbond(スマートボンド)】・【FIBREPLEX(ファイバープレックス】をカラー剤との併用がオススメです。
もしカラー剤が通常のアルカリタイプ、過酸化水素6%にせざるをえない時は、必ず毛髪補修トリートメントのどれかを混ぜてください。
■クセが強すぎたり、髪の毛が強すぎてクセが伸びない場合の裏技
医薬部外品のチオ系スーパーハード(パワーMAX)を使用したいような、強いクセや髪の毛の場合は、普通に【GRATS】を使ってもクセは伸びません。
ここで、【裏技】
(※自己責任でお願いします。)
クセや髪が強い場合の【GRATS】の薬剤選定
(配合)は、2.8クリームにGMTを【20%】配合し、たっぷりと乗せるように塗布し、30~40分放置する。
これで伸びなければ、アイロン操作に問題があります。
※ジョイント部分の過軟化、過還元に気を付けること(あくまで自己責任でお願いします)
■【まとめ】
やはり【GRATS】の難しいところは、
- 薬剤選定
- 軟化チェック
- ウエットアイロン技法
になります。
ですが、
しっかりと特性を理解して【GRATS】を使いこなせば、縮毛矯正・パーマの幅やクオリティは格段に向上します。
参考にしてみてください。
阿武隈川 弘 アブログ
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